スポーツ選手の鼠径部痛の原因とリハビリとは?

おはようございます。理学療法士の水尻です。今日は、225日目の投稿です。   サッカー、ラグビー、野球、陸上競技など、激しい動きが求められるスポーツでは、鼠径部(そけいぶ)に痛みを訴える選手が少なくありません。「股関節の前あたりが痛い」「キックやダッシュで違和感がある」といった症状は、競技復帰に大きな影響を及ぼすため、原因の特定と適切なリハビリが不可欠です。今回は、鼠径部痛の主な原因と、理学療法士が行うリハビリの流れについてご紹介します。 鼠径部痛の主な原因とは?鼠径部痛は「疾患名」ではなく「症状の総称」です。複数の要因が絡み合っていることが多く、以下のように分類できます。
  • 筋・腱由来の痛み
・腸腰筋や内転筋の過負荷  キック動作や急な方向転換で酷使され、炎症が起こる。・内転筋腱付着部炎  恥骨付近に痛みを感じることが多く、慢性化しやすい。
  • 股関節由来の障害
・股関節インピンジメント症候群(FAI)  骨の形状異常により可動域が制限され、鼠径部に痛みが出る。・関節唇損傷  激しい動作で関節唇が損傷し、クリック感や鋭い痛みを伴う。
  • 骨盤・体幹の機能不全
・骨盤や体幹の安定性が低いと、鼠径部の筋肉に過剰な負担がかかる。
  • その他の課題
・疲労骨折(恥骨・大腿骨頸部)スポーツヘルニア・泌尿器系・消化器系の疾患(鑑別が必要) リハビリの流れと考え方
  • 評価フェーズ
・痛みの部位、発症動作、安静時と運動時の差を確認・筋力、柔軟性、股関節の可動域、体幹の安定性を検査・必要に応じて画像診断(医師との連携)
  • 急性期(早期リハビリ)
・炎症が強い場合は安静を優先・軽度であれば、痛みを悪化させない範囲での可動域練習やアイシング
  • 回復期(機能改善)
・柔軟性回復:腸腰筋・内転筋のストレッチや軽負荷エクササイズ・安定性トレーニング:プランク、ヒップリフトなどで体幹・骨盤を強化・股関節周囲筋の強化:中殿筋、大腿四頭筋、ハムストリングのバランスを整える
  • 競技復帰期
・スポーツ特有の動作(カッティング、ダッシュ、キック)を段階的に導入・筋力・柔軟性・パフォーマンスの左右差を評価し、整える 予防のポイント・練習前後のウォームアップ・ストレッチを丁寧に・股関節と体幹の安定性トレーニングを習慣化・練習量・強度の適切な管理・違和感がある時は早めにケア(無理をしない) まとめ鼠径部痛は、単なる筋肉痛ではなく、複数の要因が絡む複雑な症状です。理学療法士による適切な評価と段階的なリハビリによって、競技復帰をスムーズに進めることが可能です。違和感を「我慢」せず、早めの対応がパフォーマンス維持の鍵となります。