おはようございます。理学療法士の水尻です。今日は481日目の投稿です。
千葉県の記録的豪雨で、浸水した車内に閉じ込められ命を落とされた方が相次ぎました。この事故を受けて、車の窓を割る「脱出用ハンマー」がカー用品店で売り切れ、通常の16倍の売れ行きになっているそうです。今日は、万が一車が浸水した際の知識をお伝えします。水没した車は、水圧でドアが開かなくなります。脱出のタイミングは、車内と車外の水位が同じになった瞬間が最も力が少なくて済みます。それまでは焦らず待ち、水位が揃ったらドアを開けるか、ハンマーで窓を割って脱出します。窓を割る場合は、端や角を狙うのが効果的です。脱出ハンマーはシートベルトカッターと一体になっているものが多く、1000〜2000円程度で購入できます。グローブボックスや手の届く場所に備えておくと良さそうですね。知識があるかないかが、いざという時に命を分けることがあります。それでは、今日も1日頑張りましょう。

「手の指がしびれる」「夜中に痛みで目が覚める」「細かい作業がしづらい」
こうした症状がある場合、手根管症候群が隠れていることがあります。
手根管症候群は、手首にある狭いトンネル「手根管」で正中神経が圧迫されることで起こる病気です。
初期は軽いしびれだけでも、進行すると親指の付け根の筋肉がやせたり、物をつまむ力が低下したりすることがあります。
今回は、患者さんにも分かりやすいように、手根管症候群の原因や症状、治療方法について解説します。
※この記事は一般的な情報です。しびれには首や肘など別の原因もあります。症状が続く場合は整形外科を受診してください。
🩺 手根管症候群とは
手根管症候群は、手首の部分で正中神経が圧迫されて起こる病気です。
正中神経は、主に次のような働きをしています。
- ・親指・人差し指・中指・薬指の親指側の感覚
- ・親指の付け根の筋肉を動かす
- ・物をつまむ
- ・ボタンを留める
- ・字を書くなどの細かい作業を行う
そのため、手根管症候群では一般的に親指〜薬指の親指側にしびれや痛みが出ます。
初期には、人差し指や中指だけに症状が出ることもあります。
🔍 手根管は「手首のトンネル」
手根管は、手首にある小さな骨である手根骨と、横手根靭帯に囲まれたトンネル状の空間です。
この中には、
- ・正中神経
- ・指を曲げるための腱
などが通っています。
イメージとしては、
いくつものコードやホースが、狭いトンネルの中を一緒に通っている状態
です。
腱の周囲が腫れたり、靭帯が厚くなったり、骨折後に手首の形が変化したりすると、トンネル内が狭くなり、正中神経が圧迫されることがあります。
⚡ 神経が圧迫されると起こる症状
① しびれ・ピリピリ感
主に次の指に症状が出ます。
- ・親指
- ・人差し指
- ・中指
- ・薬指の親指側
症状は、
- ・ジンジンする
- ・ピリピリする
- ・電気が走るような感じ
- ・感覚が鈍い
などと表現されることがあります。
※小指までしびれる場合は、肘や首の神経など別の原因が関係している可能性があります。
② 夜間・明け方の痛みやしびれ
手根管症候群では、夜間や明け方に症状が強くなることがあります。
寝ている間に手首が曲がりやすいことや、手根管内の圧が高まりやすいことなどが関係すると考えられています。
- ・手のしびれで夜中に目が覚める
- ・手を振ると少し楽になる
- ・朝起きると指がこわばる
このような症状は、手根管症候群でよくみられます。
③ 手に力が入りにくい
症状が進行すると、親指の付け根にある筋肉が弱くなり、次のような動作が難しくなることがあります。
- ・ペットボトルのふたを開ける
- ・はさみを使う
- ・箸を使う
- ・ボタンを留める
- ・鍵を回す
- ・小さな物をつまむ
さらに進行すると、親指の付け根の筋肉がやせ、左右差が目立つことがあります。
④ 物を落としやすくなる
感覚が鈍くなることや、親指の筋力が低下することで、物をしっかり持ちにくくなる場合があります。
「最近、物をよく落とすようになった」という場合も注意が必要です。
💻 手をよく使う仕事は原因になる?
手をよく使うことが関係する場合はありますが、「手を使う=必ず手根管症候群になる」というわけではありません。
影響する要因としては、
- ・手首の姿勢
- ・作業時間
- ・力の入れ方
- ・休憩の有無
- ・身体的な要因
など、複数の要素が関係します。
関係しやすい作業としては、
- ・長時間のパソコン入力
- ・手首を曲げたまま行う作業
- ・強く握る・押す・ひねる作業
- ・工具の使用
- ・縫い物・編み物
- ・調理・清掃
- ・重い物を繰り返し持つ
- ・振動工具の使用
などがあります。
また、妊娠やホルモン変化、糖尿病、関節リウマチ、骨折後、透析などが関係することもあります。
🌿 手根管症候群は自然に治る?
軽症で、むくみや一時的な負担などが原因の場合は改善することがあります。
しかし、すべての手根管症候群が自然に治るわけではありません。
次のような場合は、放置せずに医療機関へ相談することが大切です。
- ・しびれが数週間続く
- ・夜間に何度も目が覚める
- ・しびれの範囲が広がっている
- ・親指に力が入りにくい
- ・物を落とすことが増えた
- ・親指の付け根がやせてきた
神経の圧迫が長期間続くと、症状の回復に時間がかかる場合があります。
🏥 病院ではどのような検査をする?
整形外科では、症状が出ている場所や経過を確認し、手首の状態、筋力、感覚などを評価します。
必要に応じて、
- ・手首を曲げて症状が強くなるか確認する検査
- ・手根管付近を軽く叩いて、しびれが指先に響くか確認する検査
- ・神経伝導検査
などを行います。
また、首や肘など別の場所で神経が圧迫されていないかについても確認します。
💊 主な治療方法
① 手首への負担を減らす
まずは、症状を悪化させる原因を減らします。
- ・痛みやしびれが強くなる作業を調整する
- ・こまめに休憩する
- ・手首を強く曲げた状態を長く続けない
- ・パソコンや作業環境を調整する
② 装具療法
夜間に手首が曲がりすぎることを防ぐため、手首をできるだけ自然な位置に保つ装具が使用されることがあります。
③ 薬・注射
症状に応じて、痛みを抑える薬や、神経症状に対する薬、手根管内への注射などが行われることがあります。
④ 手術
症状が強い場合や、親指の筋肉がやせている場合、保存療法で改善がみられない場合などには、手術が検討されることがあります。
🏠 自宅で気をつけたいこと
日常生活では、手首に負担をかけすぎないことが大切です。
- ・寝るときに手首を強く曲げない
- ・スマホを長時間、手首を曲げた状態で持たない
- ・重い荷物を指先だけで持たない
- ・長時間同じ作業を続けない
- ・肘や肩も含めて楽な姿勢を意識する
- ・症状が強い日は作業量を調整する
しびれや痛みが増えるストレッチや運動は、逆に症状を悪化させる可能性があります。
自己判断で無理なストレッチを続けず、症状に合わせて調整しましょう。
🚨 受診をおすすめするサイン
次のような症状がある場合は、整形外科への受診をおすすめします。
- ・夜間のしびれや痛みで眠れない
- ・しびれが繰り返し起こる
- ・親指や手に力が入りにくい
- ・物を落とすことが増えた
- ・親指の付け根がやせてきた
- ・手首を休めても症状が改善しない
また、顔や腕の片側に急な症状が出た場合や、ろれつが回りにくいなどの症状がある場合は、手根管症候群以外の緊急性の高い病気の可能性もあります。
✨ まとめ
手根管症候群は、手首にある手根管で正中神経が圧迫されることで起こる病気です。
主な症状として、
- ・親指〜中指を中心としたしびれ
- ・夜間や明け方の痛み・しびれ
- ・親指の力が入りにくい
- ・細かい作業がしづらい
- ・物を落としやすい
などがあります。
軽症であれば改善することもありますが、神経の圧迫が長く続くと回復に時間がかかることがあります。
「少ししびれるだけ」と思わず、症状が続く・夜間に悪化する・物を落とす・親指の力が入りにくいなどの変化があれば、早めに整形外科へ相談しましょう。


