おはようございます。理学療法士の水尻です。今日は480日目の投稿です。

千葉県で観測史上最大級の豪雨が発生しました。24時間雨量が千葉市で367ミリ、これは8月1か月分の平均雨量の約3倍が一気に降った計算になります。線状降水帯が3回発生し、レベル5の特別警報も発表されました。それにしても、今年の夏は本当に異常気象が続いています。酷暑日、震度7の地震、ダブル台風、そして今回の記録的豪雨——「観測史上初」「観測史上最大」という言葉を、何度聞いたかわからないほどです。「自分の住んでいる地域は大丈夫」という感覚が、だんだん通用しなくなってきています。お住まいのハザードマップは改めて確認しておきたいですね。皆さんとご家族の安全を、心から願っています。それでは、今日も1日頑張りましょう。

前回のブログ「首が痛い…頸部筋筋膜症ってどんな病気?」では、頸部筋筋膜症の原因や症状、放置するリスクについて解説しました。

今回はその続きとして、頸部筋筋膜症のリハビリテーションに焦点を当て、理学療法士が行う治療内容や、ご自宅でできる運動療法・セルフケアを詳しくご紹介します。

🩺 頸部筋筋膜症のリハビリテーションとは?

頸部筋筋膜症の理学療法は、単に痛みを和らげるだけではありません。

  • ・痛みを軽減する
  • ・首や肩まわりの機能を改善する
  • ・再発しにくい身体づくりを行う

この3つを目的として、症状や生活スタイルに合わせながらリハビリを進めていきます。

🔧 リハビリの3つの柱

アプローチ目的主な方法
疼痛コントロール痛みの軽減徒手療法、温熱療法、活動量の調整
機能改善可動域・筋力の改善関節運動、ストレッチ、筋力トレーニング
再発予防首に負担をかけにくい身体づくり姿勢改善、運動習慣、生活環境の調整

これらを症状に合わせて組み合わせることで、痛みの改善だけでなく、再発予防にもつなげていきます。

🔵 第1段階:痛みを落ち着かせる時期

痛みが強い時期は、まず症状を悪化させないことが大切です。

① 徒手療法

理学療法では、首・肩・肩甲骨まわりなどの筋肉や関節の状態を確認し、必要に応じて徒手的な治療を行います。

目的は、筋肉の緊張をやわらげたり、動かしにくくなっている部分の動きを改善したりすることです。

  • ・首や肩まわりの筋緊張の軽減
  • ・関節の動きの改善
  • ・動かしたときの痛みの軽減

ただし、徒手療法だけで改善を目指すのではなく、症状が落ち着いてきたら運動療法やセルフケアにつなげていくことが重要です。

② 温熱療法

症状によっては、首や肩を温めることで筋肉の緊張がやわらぎ、動かしやすくなることがあります。

  • ・蒸しタオルで首・肩を温める
  • ・入浴で身体を温める

ただし、熱感や腫れが強い場合などは温めることが適さない場合もあります。症状に応じて調整しましょう。

③ 痛みの出にくい姿勢を見つける

痛みがあるからといって、一日中安静にする必要はありません。

同じ姿勢を長時間続けることを避け、痛みが強くならない範囲で身体を動かすことが大切です。

  • ・スマホを見る時間を調整する
  • ・長時間のデスクワークでは途中で休憩する
  • ・首を無理に大きく動かさない

🟢 第2段階:首や肩の動きを改善する時期

痛みが少し落ち着いてきたら、首・肩・背中の動きを改善していきます。

① 首の関節可動域運動

首を無理のない範囲でゆっくり動かします。

  • ・前に倒す
  • ・後ろに倒す
  • ・左右に倒す
  • ・左右を見る

痛みを我慢して大きく動かす必要はありません。

「少し動かせる範囲から始める」ことが大切です。

② ストレッチ

頸部筋筋膜症では、首だけでなく肩や肩甲骨周囲、胸まわりの筋肉が硬くなっていることもあります。

特に次のような部分を確認します。

  • ・胸鎖乳突筋
  • ・僧帽筋
  • ・肩甲挙筋
  • ・後頭部周囲の筋肉
  • ・胸の筋肉

ストレッチは反動をつけず、呼吸を止めずに行いましょう。

目安は20〜30秒程度です。

💪 第3段階:首を支える筋肉を鍛える

痛みが落ち着いてきたら、首や肩甲骨を支える筋肉を少しずつ使えるようにしていきます。

① 首の等尺性運動

首を大きく動かさずに、筋肉を使う練習です。

方法

  • ・額に手を当てる
  • ・頭と手で軽く押し合う
  • ・首は動かさない
  • ・5秒程度キープ

前・後ろ・左右の方向で行います。

力は強く入れすぎず、3〜5割程度から始めましょう。

② あごを軽く引く運動

首の深い部分にある筋肉を使うための基本的な運動です。

方法

  • ・背筋を伸ばして座る
  • ・あごを軽く後ろへ引く
  • ・5秒キープ
  • ・5〜10回繰り返す

首を強く押し込む必要はありません。

③ 肩甲骨の運動

首の負担を減らすためには、肩甲骨まわりの筋肉も重要です。

方法

  • ・背筋を軽く伸ばす
  • ・肩をすくめないようにする
  • ・肩甲骨を背中の中央へ軽く寄せる
  • ・3秒キープ
  • ・10回程度

🟣 第4段階:姿勢や生活動作を改善する

リハビリでは、運動だけでなく、普段の生活で首に負担がかかっていないか確認することも重要です。

スマホを見る姿勢

  • ・スマホをできるだけ目線に近づける
  • ・首だけを前に出さない
  • ・長時間続けない

パソコン作業

  • ・モニターの高さを調整する
  • ・椅子に深く座る
  • ・肩の力を抜く
  • ・30〜60分ごとに姿勢を変える

🚶 運動習慣も大切

首だけを鍛えるのではなく、身体全体を動かすことも大切です。

症状が安定している場合は、ウォーキングなどの軽い運動を取り入れることで、体力や全身のコンディションを維持しやすくなります。

ただし、歩行中に首の痛みやしびれが強くなる場合は、無理をせず医療専門職に相談しましょう。

⚠️ リハビリ中に注意したいこと

  • ・痛みを我慢してストレッチをしない
  • ・勢いをつけて首を回さない
  • ・首を強く反らせ続けない
  • ・強い力で首を押したり揉んだりしない
  • ・運動後に症状が悪化する場合は負荷を下げる

また、次のような症状がある場合は、自己判断で運動を続けず、医療機関へ相談してください。

  • ・腕や手のしびれが強くなる
  • ・力が入りにくい
  • ・歩行が不安定になる
  • ・強い頭痛やめまいが続く
  • ・症状が急激に悪化した

📌 まとめ

頸部筋筋膜症のリハビリでは、痛みのある首だけを見るのではなく、首・肩・肩甲骨・背中、そして日常生活の姿勢まで含めて整えていくことが大切です。

リハビリは大きく次のような流れで進めていきます。

段階目的主な内容
第1段階痛みを悪化させない活動量の調整・徒手療法・姿勢の工夫
第2段階動きを改善する関節運動・ストレッチ
第3段階首を支える力を高める首・肩甲骨まわりの筋力トレーニング
第4段階再発を予防する姿勢改善・生活習慣・運動習慣

🌟 今日からできること

「首が痛いから動かさない」のではなく、症状に合わせて無理のない範囲で少しずつ動かすことが大切です。

  • ・長時間同じ姿勢を続けない
  • ・スマホやパソコンの姿勢を見直す
  • ・首だけでなく肩甲骨や背中も動かす
  • ・痛みのない範囲でストレッチや運動を行う

頸部筋筋膜症は、日常生活での姿勢や身体の使い方が症状に影響することがあります。

症状が続く場合や、しびれ・筋力低下などがある場合は、自己流で対処せず、整形外科や理学療法士に相談してみてください。