階段や立ち上がりで股関節が痛くなるのはなぜ?

おはようございます。理学療法士の水尻です。今日は、258日目の投稿です。




日常生活の中で、階段を上るときや椅子から立ち上がるときに、股関節の前や横が「ズキッ」と痛む経験はありませんか? 実はこの痛み、股関節やその周囲の筋肉・関節構造の使い方に原因があることが多いのです。

今回は、股関節痛の主な原因と、日常でできる対処法についてご紹介します。

🦵 痛みの原因はここにある!

1. 動作による股関節への負荷

階段や立ち上がりの動作では、片足に体重がかかる時間が長くなり、股関節には大きな圧力とねじれが加わります。 特に立ち上がる瞬間は、身体を前傾させて重心を移動させた後、股関節と膝を伸ばして立ち上がるため、負荷が集中しやすいのです。

2. 筋力と柔軟性のアンバランス

股関節周囲には、体を支える「外側の筋肉(中臀筋など)」と、脚を動かす「内側の筋肉(腸腰筋など)」があります。

外側の筋力が弱いと、骨盤が左右に揺れやすくなり、階段を登る際に関節面がずれてしまうことがあります。

内側の筋肉が硬いと、脚の操作が制限され、関節部が圧迫されやすくなります。

このようなアンバランスが、股関節の前面(鼠径部)や外側に痛みを引き起こす原因になります。

3. 関節の変性や炎症

加齢や長年の負担によって、軟骨がすり減る「変形性股関節症」や、滑膜の炎症による「股関節周囲炎」が起きている可能性もあります。

✅ 痛みを和らげるための対処法

姿勢と重心の確認

立ち上がるときは、膝を前に出しすぎず、体幹を安定させることが大切です。 正しい姿勢を意識するだけでも、股関節への負担を軽減できます。

筋力バランスの調整

中臀筋・大臀筋など、股関節周囲の筋肉を鍛えることで、骨盤の安定性が向上し、痛みの予防につながります。

柔軟性の向上

腸腰筋のストレッチや太もも前面のほぐしを取り入れることで、関節の可動域が広がり、圧迫を防ぐことができます。

負担の軽減

階段の昇降時には手すりを使い、段差の高い場所では無理をしないようにしましょう。

専門家による評価

初期段階で理学療法士などの専門家による評価を受け、筋力・可動域・歩行動作のバランスを整えることで、痛みの再発を防ぐことができます。

📝 まとめ

股関節の痛みは、単なる「使いすぎ」ではなく、筋力や柔軟性、動作のクセなど、さまざまな要因が絡んでいます。 日常の動作を見直し、適切なケアを取り入れることで、痛みの予防と改善が可能です。

「ズキッ」とした痛みを感じたら、まずは自分の動きや姿勢をチェックしてみましょう。 そして、無理せず、できることから始めてみてくださいね。