顎関節症と頚部痛の関係とは?

おはようございます。理学療法士の水尻です。今日は、190日目の投稿です。

台風5号が発達しながら北上しており、14日から15日にかけて、東日本や北日本に接近し、上陸するおそれがあるとのことです。台風への備えは、早めの準備が重要です。自然災害は予測できませんが、備えることで被害を最小限に抑えることができます。安全第一を考え、今日も一日気をつけて過ごしましょう。

 

 

「顎関節症」と聞くと、顎の痛みや口の開けづらさを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、この疾患は単に顎の問題だけでなく、首や肩の痛み、さらには頭痛など全身に影響を及ぼすことがあるのです。今回は理学療法士の視点から、顎関節症と頚部痛の関係について掘り下げてみましょう。

 

顎関節症とは?主な症状

・顎の痛みや違和感

・口を大きく開けられない(開口障害)

・顎を動かすと「カクカク」音が鳴る

・噛み合わせの違和感

・首や肩のこりや痛み

 

なぜ首の痛みにつながるのか?そのメカニズム

1.噛み合わせの乱れと筋肉の緊張

噛み合わせが崩れると、顎周囲の筋肉に過剰な負担がかかります。その結果、連動する首や肩の筋肉も緊張し、痛みが生じやすくなります。

2.姿勢の悪化(猫背・ストレートネック)

スマホの長時間使用やデスクワークにより、頭部の重心が前方へ傾くと首や顎関節に強いストレスがかかります。これが慢性的な不調の引き金になることも。

3.骨格アライメントの異常

頭蓋骨や頚椎の位置がズレると、顎関節の動きや位置が制限されてしまい、結果として首や肩にも痛みが波及します。

 

顎と首、痛みは双方向に影響する

顎関節症のある人は、首の関節や筋肉にも負担がかかりやすく、慢性的な頚部痛を感じることが少なくありません。

逆に、首の筋肉が緊張状態にあることで、顎関節の症状が悪化するケースもあります。つまり、どちらか一方の改善だけでは根本的な解決にならないことがあるのです。

 

理学療法士が提案する改善アプローチ

姿勢の評価と修正

・猫背やストレートネックを改善する姿勢指導

・デスク環境の調整(椅子の高さや画面の位置)

筋肉の緊張緩和

・顎・首・肩のストレッチやマッサージ

・ホットパックや低周波治療などの物理療法

顎関節の運動療法

・顎関節の可動域を広げる運動

・咀嚼筋の筋力強化や柔軟性向上トレーニング

生活指導

・歯ぎしり・噛みしめ癖の改善

・食事方法や咀嚼回数の見直し

 

まとめ

顎関節症と首の痛みは、筋肉・骨格・姿勢といった様々な要因が複雑に絡み合っています。理学療法士は、全身のバランスを見ながら、包括的なアプローチで症状改善を目指します。