しゃがみこみで股関節に痛みが出る原因とは?
おはようございます。理学療法士の水尻です。今日は、180日目の投稿です。
今日から七月ですね。今年も半年が過ぎました。皆さんは、有意義な上半期を過ごすことができましたでしょうか。ここで一度今年の目標や上半期の過ごし方を思い起こしてみるのもいいかもしれませんね。今年をより良くするために下半期も頑張りましょう。
「最近しゃがむと股関節が痛い…」 そんなお悩みを抱える方は少なくありません。日常生活はもちろん、仕事やスポーツの場面でも頻繁に使う“しゃがむ”という動作。実は、いくつかの代表的な原因によって股関節に痛みが出ることがあるのです。
本記事では、理学療法士の視点から、しゃがみ動作で痛みが出る原因や注意すべきポイント、セルフケアについて解説します。
しゃがみこみで股関節が痛む主な原因
1.変形性股関節症
股関節の軟骨がすり減ることで骨同士がぶつかりやすくなり、しゃがむ・立ち上がる・階段の上り下りなどで痛みが出ます。 重症化すると、可動域制限や靴下の着脱困難などの日常生活にも支障が出てきます。
2.股関節インピンジメント(FAI)
Cam型やPincer型といった骨形態異常により、大腿骨と骨盤が衝突し関節唇を損傷。 深くしゃがむ・ひねる動作で痛みが出やすくなります。
3.股関節唇損傷
股関節周囲の軟骨組織(関節唇)が損傷し、車の乗り降りや靴下を履くといった動作で違和感や痛みが生じます。 放置すると股関節の不安定性や変形性股関節症へ進展することも。
4.臼蓋形成不全
生まれつき股関節の受け皿(臼蓋)が浅いことで、関節への負担が増し痛みやすくなります。 特に女性に多く、将来的に変形性股関節症のリスク因子にも。
5.筋力・柔軟性の低下、使いすぎ
股関節周囲の筋肉が弱ったり硬くなったりすると、しゃがむ動作で負担が集中。 スポーツ選手や立ち仕事の多い方にもよく見られます。
なぜしゃがむと痛くなるのか?メカニズムを解説
しゃがむと股関節は深く屈曲し、関節内のスペースが狭くなります。 骨形態異常がある場合や関節唇が損傷していると、その狭い空間で衝突・圧迫が起き、痛みが生じやすくなるのです。 さらに可動域制限や筋力低下が加わると、動作そのものが非効率になり、余計な負荷がかかる悪循環に陥ります。
自分でできる予防・対策
・痛みの強い時はしゃがまない 無理に続けず、まずは安静を優先しましょう。
・中臀筋・大腿四頭筋の筋力トレーニング 体幹の安定と荷重分散に効果的です。
・股関節のストレッチ 「仰向けでの膝倒し運動」「股関節の回旋ストレッチ」など。
・生活動作の工夫 靴下を座って履く、和式トイレを避けるなど、日常での負担を軽減。
まとめ
しゃがみ動作で股関節が痛む場合、変形性股関節症・FAI・股関節唇損傷・臼蓋形成不全などが代表的な原因です。 気になる症状がある場合は早めに整形外科や理学療法士へ相談し、リハビリテーションと適切な生活指導を受けましょう。