足関節が股関節の痛みに及ぼす影響とは?

おはようございます。理学療法士の水尻です。今日は、178日目の投稿です。

だんだんと暑い気温になってきましたが、皆さんは体調は崩していないでしょうか?今日は「夏の朝習慣」についてお話ししたいと思います。最初にオススメするのが、「起きてすぐのコップ一杯の水」を摂ることです。寝ている間に汗で失われた水分を補うことで体が目覚めてくれます。次に、冷房を使用するタイミングにも注意が必要ですね。朝のうちに軽く窓を開けて空気を入れ替えることで、こもった熱気を逃して冷房に頼りすぎない体づくりに繋がりますよ。このように朝の習慣を意識することで、夏バテ対策をしていきましょう。それでは、今日も一日頑張りましょう。

 

 

股関節の痛みは、必ずしも股関節単体の問題だけで生じているわけではありません。実は足関節(足首)の機能や動きが、股関節の痛みに大きな影響を及ぼすことが近年の研究や臨床現場で明らかになっています。理学療法士の視点から、その関係性について解説します。

 

足関節と股関節の連動性

・人の下肢は、足関節・膝関節・股関節と連続した「運動連鎖」を形成しています。足関節の可動域や筋力、動きのクセが、膝や股関節の動きや負担に直結します。

・例えば、歩行や立ち上がり動作の際、足関節の柔軟性や安定性が低下していると、膝や股関節に余計な負担がかかりやすくなります。

 

足関節の機能低下が股関節痛を招くメカニズム

・足関節の可動域制限や筋力低下があると、歩行時や立位時の荷重バランスが崩れやすくなります。その結果、股関節周囲の筋肉や関節に過剰なストレスがかかり、痛みの原因となることがあります。

・特に、足関節底屈(つま先立ち)の力が弱いと、歩行時に「蹴り出し」が不十分となり、股関節の前方や側方に負担が集中しやすくなります。

 

代償動作と痛みの悪循環

・股関節に痛みがある場合、無意識に痛みを避けるような歩き方(代償動作)をとることが多くなります。その際、足関節や膝関節の使い方も変化し、さらに下肢全体のバランスが崩れることで、股関節の痛みが悪化することもあります。

・逆に、足関節の機能が低下していると、股関節が本来以上の役割を担わざるを得なくなり、慢性的な股関節痛を引き起こすリスクが高まります。

 

性別による違いも

・研究によると、股関節痛を有する女性は、痛みのある側の股関節だけでなく足関節にも負荷をかけないような戦略をとる傾向があり、結果として下肢全体の筋力低下や機能低下を招きやすいことが示唆されています。

 

理学療法士が考えるアプローチ

・股関節痛のリハビリでは、股関節そのものだけでなく足関節の柔軟性・筋力・動作パターンも評価し、必要に応じて足関節の可動域訓練や筋力強化、歩行指導を行うことが重要です。

・足関節の機能改善により、下肢全体の運動連鎖が正常化し、股関節への負担軽減や痛みの改善が期待できます。

 

まとめ

足関節と股関節は密接に連動しており、足関節の機能低下や動作のクセが股関節痛の発症・悪化に大きく関与します。股関節痛のリハビリや予防には、足関節の状態にも目を向け、全身的なバランスを整えることが不可欠です。気になる痛みや違和感がある場合は、早めに理学療法士など専門家に相談しましょう。