後縦靭帯骨化症の原因とリハビリとは?
おはようございます。理学療法士の水尻です。今日は、174日目の投稿です。
「千里の道も一歩から」という言葉があります。これはコツコツとした努力の積み重ねの大切さを表すことわざですが古代帝国の中心地として栄えたイタリアの首都であるローマの入った「ローマは一日にして成らず」も「千里の道も一歩から」と同じような意味です。天才型の人は違うかもしれませんが大抵の人は一日だけ頑張っても成果はあまり出ません。どんな些細な事でも日々繰り返し行うことが大切です。日々努力の積み重ねで、大きなモノを得れる人間になりたいですね。
こんにちは。今回は、背骨の中を走る「後縦靭帯」が硬くなり、神経を圧迫することで様々な症状を引き起こす後縦靭帯骨化症(OPLL)について解説します。
後縦靭帯骨化症とは?
後縦靭帯骨化症は、首や背中を支える後縦靭帯が骨のように硬化し、脊髄や神経根を圧迫することで、手足のしびれや運動障害、歩行困難などの神経症状を引き起こす疾患です。
主な原因は?
この病気の原因は一つではなく、遺伝や代謝異常、生活習慣など複数の要素が関係していると考えられています。
・家族内での発症が多く、遺伝的要因が大きい
・性ホルモンの異常やカルシウム・ビタミンD代謝の乱れ
・糖尿病や肥満、加齢、姿勢や局所ストレスも影響
・全身的な骨化体質の方に多いという報告も
特に糖尿病や肥満の方には発症しやすい傾向がみられています。
リハビリの基本方針
OPLLのリハビリテーションは、症状の進行予防と日常生活動作(ADL)の維持・向上を目的に行います。
保存療法中のリハビリ(手術をしない場合)
・首を反らす動作や急な動作は避ける → 脊髄を圧迫し症状を悪化させる恐れがあります。
・軽い運動療法(体操・歩行・水泳など) → 医師・理学療法士の指導下で行うことが大切です。
・筋力強化と細かい動作練習 → しびれや筋力低下のある部位を中心に進めます。
・関節の可動域維持・全身の体力維持
・転倒や衝撃を避ける生活環境の工夫
術後のリハビリ
・できるだけ早く離床し歩行訓練を始める
・可動域や筋力の回復トレーニング
・症状や体調に応じた個別プログラムの実施
リハビリ実践の注意点
・整体やマッサージの自己判断は危険 → 首に強い刺激を加えると症状が悪化することがあります。
・痛み・しびれ・排尿障害が悪化したらすぐ受診
・理学療法士の指導で自宅エクササイズを継続する
まとめ
後縦靭帯骨化症は、進行や症状に個人差があり、不安に感じる方も多いかもしれません。ですが、適切なリハビリを継続することが、生活の質を守るカギとなります