腰椎分離症の原因とリハビリとは?
おはようございます。理学療法士の水尻です。今日は、168日目の投稿です。
今日は「姿勢を正すことの大切さ」についてお話しします。皆さん、仕事中やスマートフォンを見ているとき、無意識に前かがみの姿勢になっていませんか?姿勢が悪い状態が続くと、身体的不調だけでなく、集中力や呼吸機能の低下、さらには自律神経の乱れにもつながることがあります。逆に、背筋を伸ばすだけで気持ちが前向きになったり、自信を持てたりするという心理的効果も報告されています。座っている時間が長い方は、1時間に1回は立ち上がって軽くストレッチをし、日頃から意識して姿勢を整えるようにしましょう。それでは、今日も一日頑張りましょう。
今回は、成長期のスポーツ選手に多く見られる「腰椎分離症」について、原因やリハビリ方法をわかりやすくご紹介します。お子さんの腰痛に悩んでいるご家族や、指導現場の皆さまにも参考になれば幸いです。
腰椎分離症とは?
腰椎分離症は、特に成長期(11〜15歳頃)の子どもに多い「腰の疲労骨折」です。腰椎(主に第5腰椎)の椎弓という部分に、繰り返される反る・ひねる動作が原因で小さな骨折が起こります。
野球やサッカー、体操やバレーボールなど、腰の動きが大きいスポーツに取り組む子に多く見られます。
主な原因
・成長期特有の骨の未成熟さと脆さ
・腰を反る・ひねる動作の繰り返し
・姿勢不良や体幹筋力の弱さ
・柔軟性の低下(特に股関節・太もも裏・胸郭まわり)
・遺伝的要因や骨の形の個人差
主な症状
・運動時や反ったときの腰痛
・腰を押すと感じる圧痛
・進行すると「腰椎すべり症」に移行する可能性も
初期は無症状のこともあるため、運動習慣のある子が「なんとなく腰が重い」と感じたら早めの受診をおすすめします。
リハビリテーションの進め方
腰椎分離症のリハビリは、大きく分けて2つの段階で行います。
1.安静・固定期(骨癒合のための期間)
・スポーツ活動を一時中止し、腰部の安静を確保します
・硬性コルセットを装着(約8週間が目安)
・痛みの軽減と骨の癒合を目指します
2.機能回復期(リハビリ本格開始)
①柔軟性の改善:
・股関節、太もも裏(ハムストリングス)、お尻(殿筋)、胸椎まわりのストレッチ
・骨盤と体幹のスムーズな動きが腰への負担を軽くします
②体幹トレーニング:
・ドローイン(腹横筋活性化)
・上下肢の交互リフト
・プランク等で安定性を強化
・反動を使わず、痛みのない範囲で行うのがポイント
③動作指導・フォーム改善:
・腰を反りすぎる、ひねりすぎる不良姿勢を修正
・胸椎や股関節をうまく使う体の使い方を身につけます
④段階的な競技復帰:
・痛みや骨癒合の状態に応じて、段階的に復帰を目指します
・静的トレーニング → 動的トレーニング → 競技特有の動作へ
まとめ
腰椎分離症は、頑張る成長期のスポーツ選手を悩ませる疾患ですが、早期発見と適切なリハビリで多くは回復可能です。大切なのは、「痛みが消えた=治った」と判断せず、理学療法士など専門家の指導のもと、段階的に復帰を進めること。腰に優しいフォームを身につけることが、再発防止とパフォーマンス向上への近道です。